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症状が安定して特段の療養の必要がなく、長期的に自覚症状や他覚症状に異常がなく、普通に生活、就労ができているならば「社会的治癒」と判断されます。社会的治癒と判断されると、前の傷病と後の傷病は別個のものとして取り扱われます。
例をあげます。松田さん(仮名)は、フリーターの期間にうつ病を発症して一時期休んでいました。治療の結果、症状が改善しサラリーマンとして社会復帰しました。しかしその7年後にうつ病でまた休むことになってしまいました。
この場合、医師からすると今回と7年前のうつ病は同一であり因果関係があるので、診断書にも、前のうつ病が再発した判断するでしょう。
しかし、社会的治癒は医学的な治癒とは異なり、前の傷病と後の傷病が同じであることや再発であることは問題とはならず適用されます。ですので、障害年金請求上では二つのうつ病は別個のものとして取り扱われ、「後のうつ病」が初診日として取り扱われます。
*社会的治癒は請求者の不利益を被る可能性がある場合の援用として特別に考案された措置です。よって受給権を否定するためにこの法理が使われる事はありません。
精神疾患における社会的治癒は「医学的には治癒していなくても、軽度と悪化のとの間に外見上治癒していると認められているような状態が一定期間継続した場合」とされています。
外見上治癒にみえても、症状を抑えるために薬を飲み続けている場合は、原則として社会的治癒は認められません。しかし通常使用量の下限または下限に近い水準で維持されており「生体の機能が正常に保持され、悪化の可能性が予測されない状態」にあった場合は、薬事下にあったとしても社会的治癒が認められることがあります。
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